香取神宮 / 千葉

香取神宮

◆香取神宮の由来

香取神社は、東国三社の一社に数えられています。

東国三社は、関東東部の利根川下流域に鎮座しています。
古代、この付近には、香取海(かとりのうみ)という内海が広がっていました。
これら東国三社の位置は香取海の入口にあたり、太平洋航路にとって、また軍事的に重要な場所でした。
だから鹿島神宮と香取神宮は、大和朝廷の東国開拓や蝦夷平定の拠点となっていました。

蝦夷平定の拠点でなので鹿島神宮や香取神宮は軍神として信仰されました。

香取院宮

香取神宮の社伝によると、香取神宮は初代神武天皇18年に創建されました。
この創建期は明らかになっていませんが、『常陸国風土記』にすでに「香取神子之社」として分祠された記載があり、常陸国風土記の鎮座は風土記編集以前となります。

◆香取神宮の歴史

奈良の春日大社は、藤原氏の氏神を祀っています。
その春日大社の祭神は、第一殿の武甕槌命(タケミカヅチノミコト)、第二殿の経津主命(フツヌシノミコト)、第三殿の祖神・天児屋根命(アメノコヤネノミコト)、第四殿の比売神(ヒメガミ)となっています。

香取神宮

香取神宮はフツヌシを祀っており、平安時代には藤原氏の氏神として崇敬されていました。
中世の武家の時代も、武神として源頼朝や足利尊氏から信仰されました。
また、鎌倉時代以降、香取神宮は常陸国と下総国の漁業関係者である海夫や関所を支配し、多くの収入を得ていまいた。

江戸時代には、天正19年(1591年)、徳川家康から1,000石を朱印地として与えられ、江戸幕府からも崇敬を受けました。
慶長12年(1607年)と元禄13年(1700年)に、造営が行われ、現在の本殿、楼門、祈祷殿は元禄期の造営によるものです。

明治4年(1871年)、近代社格制度で官幣大社となり、昭和17年(1942年)に勅祭社に定められました。

◆祭神について

フツヌシは古事記には登場せず、国譲り神話で活躍したタケミカヅチと同一視されています。

どうして、タケミカヅチとフツヌシが同一視されたのでしょうか。

香取神宮

古代日本の朝廷には、朝廷のために武力行使をおこなう豪族・中臣氏と物部氏が居ました。
そして、タケミカヅチが中臣氏の、フツヌシが物部氏の氏神でした。が、物部氏は徐々に衰退していきます。

ついにフツヌシもまた朝廷の武力をはじめ権力を独占した中臣氏(藤原氏)の氏神となってしまったのです。
古事記においては、その存在すら記されていないのです。

◆香取神宮の見どころ

香取神宮が鎮座する丘は、中央が低く、周囲が高い地形なので、亀甲山(かめがせやま)と呼ばれています。
境内は、神域となっており、立ちに里が制限されていたので、手付かずの自然が残されています。

現在の本殿、拝殿、楼門は、江戸時代の元禄13年(1700年)、5代将軍・徳川綱吉の命令で造営されたものです。
拝殿は、昭和11~15年の大修築で改築され、現在は祈祷殿として使用されています。

ちなみに、楼門に掲げられている香取神社の扁額は東郷平八郎が書いたものです。

要石(かなめいし)は、境内西方に位置する凸型の霊石です。
昔は、地震は地中に棲む大鯰が起こすと考えられていました。
要石は、この大鯰を押さえつけ、地震を防ぐ守り神と信じられていました。

香取神宮 要石

鹿島神宮と香取神宮の要石は、大鯰の頭と尾を抑える杭と言われ、見た目は小さいものの、地中部分は大きく決して抜くことはできないと言い伝えられ、また両要石は地中で繋がっているとも言われていました。

拝殿前の御神木である大杉は樹齢は1,000年といわれますが、ほかにも大木がたくさんあります。

以前は、源頼義が斥候に登らせたと言われる斥候杉(ものみのすぎ)がありました。
また、源頼義の祈願により三又に分かれた三本杉があり、このうち一本は枯れています。
源頼義は、この杉に「天下太平、社頭御栄、子孫長久」と祈りました。

香取神宮 三本杉

楼門左に立つ木母杉は、徳川光圀が貞享元年(1684年)に参拝した時、境内に立つ多数の杉の母と推定して名付けられましたが、現在は枯れてありません。
徳川光圀の参拝時に植えられたと伝えられる黄門桜のひこばえが成長したものもあります。

香取院宮 御神木

大正天皇が、皇太子時代の明治44年に参拝した時、手植えの大正天皇手植松、常陸宮正仁親王が昭和41年に参拝した時の手植えの常陸宮手植松など皇室ゆかりの植樹もあります。

他にも海上自衛隊練習艦かとりの錨、筑波山、鹿島山、香取ヶ浦、潮来十六島等が見渡せる桜馬場(鹿苑)、奥宮付近には天平4年(732年)の日照りの際、壇を設けて雨乞いを行なった跡の雨乞塚があります。

◆香取神宮の基本情報

住所:千葉県香取市香取1697-1
電話番号:0478-57-3211
アクセス:成田駅下車徒歩約13分
香取神宮 公式サイト