成田山新勝寺 / 千葉

成田山新勝寺

◆成田山新勝寺の由来

平安時代中期、平将門が関東で反乱を起こしました。
朝廷は将門追討のため軍を関東に派遣するとともに、将門の降伏祈願を寺社に命じました。

寛朝は、朱雀天皇の指示で、空海作の不動明王像を関東に運び、不動明王に将門の降伏を祈願しました。
将門が戦死した時、朱雀天皇は不動明王の霊験と称えました。

寛朝は京都に帰ろうとしましたが、不動明王像が石のように重くなり、移動させることが出来なくなりました。
これを聞いた朱雀天皇は、関東を護る場所が必要と考え、寛朝に成田山新勝寺を開山させました。

現在は、真言宗智山派のお寺となっています。
真言宗智山派は、京都市東山区の智積院を総本山とし、東京都港区の真福寺を総本山の別院としています。
その下に成田山新勝寺を含む3つの大本山があります。
寺院の格式を表す寺格も高く大規模な寺院です。

成田山新勝寺 門

◆不動明王とは

真言宗では、大曼荼羅に登場する仏様は全て、宇宙そのものであり、大日如来が姿を変えて現れた者としています。
そして、大日如来が仏教に帰依しない人々を帰依させるため、姿を変えて現れた仏様が明王です。

不動明王は、炎の中に住み、民衆を仏教に導き、人の持つ煩悩や欲望が仏様の世界に及ばないように炎で焼き尽くしています。

不動明王の梵名アチャラは動かない事を意味し、ヒンドゥー教のシヴァ神とも関係があります。

成田山 境内 三重の塔

◆お護摩祈祷

成田山新勝寺では毎日数回、お護摩祈祷が行われています。
平日は1日5回、土日祝は1日8回、お護摩の火が炊かれ、煩悩を焼き尽くしてくれます。

また、「御火加持(おひかじ)」という、持ち物(財布やバッグなど)をお護摩の火に当てて、お不動様のご加護をいただくこともできます。

その後、お不動様の御真言(のうまくさんまんだ ばざらだん せんだ まかろしゃだ そわたや うんたらた かんまん)を皆さんで唱和します。

◆交通安全祈願

成田山新勝寺の交通安全祈願は、昭和初期、自動車が普及し始めた頃、ある人が自動車旅行の無事を祈願したことに端を発しています。
自動車が一般に広がるとともに、交通安全祈願者が増え、現在は交通安全の寺院として有名になりました。

現在、成田山新勝寺の別院・分院・末寺・末教会が全国にたくさんあり、また不動明王も各地に勧請され、これらの場所でも交通安全が祈願されています。
そして新勝寺は全国にある成田山の山号が付く寺院の総本山となっています。

境内にある池の岩は亀の形になっていました。
その亀岩に本物の亀さんが! 癒されました。

成田山境内の池 亀

◆成田詣と門前町

江戸時代に人気歌舞伎役者の市川團十郎が成田山新勝寺に帰依し、成田屋の屋号を名乗り、不動明王が登場する芝居を打ったため、成田山新勝寺は広く庶民に知られるようになり、たくさんの人々が参拝するようになりました。
これを成田詣といいます。

参拝者が絶えない寺院の周辺には町が形成されます。これを門前町と言います。

成田山 参道

成田駅から成田山新勝寺まで続く道沿いには、古い町並みが見られ、日本情緒を満喫することが出来ます。
ちなみに名物は「うなぎ」で、道沿いに鰻屋さんが軒を並べています。

成田山のうなぎ

参道の景観に合わせてセブンイレブンもいつものグリーンとオレンジ、赤のカラーから
ブラウン系の看板になっていました。

成田山のセブンイレブン

成田山新勝寺は有数のパワースポットとしても知られており、全国各地から参拝者が絶えない人気スポットです。

境内の中に占いスポットもあり、5〜8軒の占い師小屋が並び、入り口には順番待ち用の椅子も準備されています。

◆成田山新勝寺の基本情報
住所:千葉県成田市成田1
電話番号:0476-22-2111
アクセス:成田駅下車徒歩約13分
成田山新勝寺 公式サイト
成田市観光協会 FEEL