鈴虫寺 妙徳山華厳寺 / 京都

鈴虫寺

◆鈴虫寺について

鈴虫寺の正式名称は妙徳山華厳寺で、現在は禅宗・臨済宗のお寺です。
鈴虫を1年中飼育しているので、通称「鈴虫寺」(すずむしでら)と呼ばれています。

◆鈴虫寺の由来

鈴虫寺は、享保8年(1723年)、鳳潭(ほうたん)によって創建されました。

鳳潭は、江戸時代中期の学僧で、比叡山に入り出家・得度し、天台宗の教相と観相を学びました。
その後、中国やインドに渡ろうともしましたが、鎖国政策により実行できず、京都や大阪で大乗仏教や小乗仏教、顕教や密教など仏教各宗を研究しました。

とくに奈良で華厳思想に魅せられ華厳宗の復興に尽力しました。
宝永元年(1704年)、江戸に行き、大聖道場で華厳を講義しながら、華厳思想に対する書物を著し、様々な宗派の学僧と交流しました。

享保8年(1723年)、京都・松尾に大華厳寺を建立し、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗と議論を行いました。

しかしながら、慶応4年(1868年)、慶厳という僧が寺に来て、臨済宗に改められました。

鈴虫寺

◆鈴虫を飼う理由

桂紹源(かつら・しょうげん)は、1931年に生まれ、滋賀県の永源寺で修行を積んだ後、京都の華厳寺9代目住職になりました。

鈴虫の音色の中に悟りの境地を見出して以来、鈴虫の飼育に魅せられました。
試行錯誤を繰り返し、年に5000~10000匹の鈴虫を飼育することが出来るようになりました。

この鈴虫の音色を背景に説法をし続け、2014年に亡くなりました。

◆鈴虫寺の見どころ

現在の住職は桂紹寿と言い、面白い説法をします。
漫談説法とも言われています。
本来、お寺は説法をする場所です。

この漫談説法が人気を得て、長蛇の列、リピーター続出になっています。

◆寺にも栄枯盛衰がある

70年代の鈴虫寺は、鈴虫の代わりに閑古鳥が鳴くくらい寂れていました。
隣接する人気の寺院・西芳寺、通称「苔寺」の参拝者が、ついでに拝観していく程度でした。

鈴虫寺

1977年、苔寺が、苔庭を守るために拝観人数を大幅に絞り、完全予約制に移行しました。こうなると苔寺の参拝者が減り、特別な特徴がなかった鈴虫寺は寂れることになります。
そこで、当時の住職・桂紹源が一計を図り、鈴虫を大量に飼いはじめたのです。
鈴虫の飼育は、参拝者確保のための生き残り作戦だったのです。

・様々な種類の竹を集めた庭園
・わらじをはき、願い事を一つだけ叶えるという「幸福地蔵」
・僧侶による参拝者への茶菓のもてなし
・30分の鈴虫説法

このような施策を展開した結果、鈴虫寺は賑わっているのです。
江戸時代以前はこれが当たり前でした。

努力しないと、面白い説法をしないと参拝者は集まりません。
現在の賑わいは、鈴虫寺の僧侶の努力の結果と言えるでしょう。

◆鈴虫寺の基本情報
住所:京都府京都市西京区松室地家町31
電話番号:075-381-3830
アクセス:阪急嵐山線松尾大社駅から徒歩20分、京都バス「苔寺・すず虫寺」下車
鈴虫寺 公式サイト